スポーツ用品にも使用されている「コードレ」ってどんな素材?
ランドセルに使用されている人工皮革の多くが株式会社クラレが開発した「クラリーノ」ですが、ランドセルに使用される人工皮革を作っている繊維メーカーはクラレだけではなく、各社、ランドセルに使用するために快適な素材を開発しており、それぞれメーカーごとの工夫がされています。
そのなかの1つである、帝人コードレが製造する人工皮革・合成皮革・フィルムの総称の「コードレ」は、ランドセルだけではなく、シューズ、雑貨、衣料、スポーツ用品、車のハンドルカバーなど、丈夫で耐久性が重視されるさまざまな製品に使用されています。
ランドセルで使用される素材としては耐久性が高いというだけではなく、コードレの軽さや耐水性なども活かされています。
人工皮革は、細かい繊維同士を織ったり編んだりせずに絡み合わせ、シート状にした「織らない布=不織布(ふしょくふ)」が基材に用いられており、ポリウレタン樹脂などを含侵・コーティングすることで製造されます。
また、汗をかいて蒸れやすい背あてや肩ベルトの内側などには、表面に微細な穴を形成することによって通気性をよくした、コードレの一種である「エアリーソフト」も使用されています。
不織布
ウィルスを通さない使い捨てマスク、ティーバッグ、紙オムツ、空気清浄機のフィルター、CDケース、電子部品、医療分野や建築、農業などに活用されています。
人工皮革「コードレ」の特徴とは?
ほどよい柔らかさと若干の伸縮性がある素材で、革に張りがあるため、摩擦やひっかいてしまったときの傷がつきにくく、水をはじく撥水力も高めなので、元気で活発なお子さんがランドセルを雑に置いてしまったり、ある程度の水に濡れてしまっても安心です。
軽くて扱いやすい素材なので、小学校1年生で体が小さくて体力に自信がないというお子さんにも、軽くて体への負担を軽くすることができるので安心して持たせることができます。
「重量」という点では、素材の軽さはもちろんですが、背負いやすさの工夫がされているものを選ぶことで体感重量を軽くすることができ、お子さんの体への負担を軽減することができます。
耐久性や撥水性が高い素材なので、雨に濡れてしまったときや汚れがついてしまったときにも、柔らかい布でさっと拭き取ればいいだけです。普段のお手入れは特に必要がないので簡単に扱うことができます。
まとめ
コードレを多くのランドセルメーカーで使用されているクラリーノと比較すると、ランドセルに使用する基本性能はどちらも高いのですが、コードレはクラリーノよりも革に張りがあるので、摩擦やひっかき傷がつきにくく水をはじく撥水性も高いと言われています。
しかし、クラリーノにもさまざまな種類があって機能面が違うように、量販メーカーのランドセルに使われているコードレで、同じコードレと主素材にあっても価格を抑えるためにやや機能面を妥協していることがあるようです。
妥協しているとはいえ、もともとコードレ自体が機能性が高い素材なので、ランドセルを6年間安心して使用できないというわけではありません。
お子さんの一生に一度の大切なランドセル選びなので、素材にもしっかりとこだわりたいですよね。天然皮革か人工皮革のどちらかで悩んでいる方は、まずは実際にランドセルを見て触ってみることで、素材の違いや特徴がわかります。
カタログやネットでお気に入りのランドセルを見つけたのならば、ぜひ一度、お子さんと一緒に実物を見に店舗や展示会などに足を運んで、背負いごこちなども一緒に試してみましょう。