登下校中の災害、子どもが自分自身で安全を確保するには?
近年、日本全国で起きている大雨による水害や地震など各地で自然災害が多発しており、お子さんの登下校中に災害にあってしまうことがあるかもしれないと考えるととても心配になりますよね。
登校後に暴風警報や特別警報が発表された場合には、気象情報や災害状況、交通機関や通学路の状況などによって、安全に下校することができると学校が判断した場合、当日の授業などが中止になり生徒は速やかに下校することになります。
台風などの異常気象
台風などの異常気象時での暴風警報は市町村ごとに発表されます。
台風などの異常気象時、地域や学校にもよりますが、大雨警報や洪水警報が発表されていても、原則として平常通り学校は授業が行われます。
暴風警報が発表されている場合、授業等を行わないとされており、登校前の午前6時30分以降、午前11時の時点で暴風警報が解除された場合は、解除後2時間を経てから当日の授業を行い、午前11以降も暴風警報が継続されている場合には授業等は行われません。
特別警報
特別警報とは、「大雨」「暴風」「高潮」「波浪」「暴風雪」「大雪」「大津波警報」「噴火警報」「緊急地震速報(震度6弱以上)」の特別警報として、市町村を単位に発表されます。
特別警報が発表された場合、ただちに命を守る最善の行動をとることが大切です。
自宅や登校経路上で発表された場合は、登校はせず自宅で待機するようにし、登校時に発表された場合には、学校などで行う避難訓練を思い出して、焦らずに行動するようにしましょう。
下校経路が危険だったり自宅までの距離が遠かったりする場合には、学校の指示に従って該当するお子さんは校内で待機し、学校が安全に下校できるのを確認するまで待機するか、保護者の方が迎えに来るのを待つことになります。
近年では、学校が休校になったり、特別警報が解除されたあとの授業再開の時間など、きずなネット(メール)で配信されたり学校ホームページなどで確認することができます。
しかし、確認できない環境にある場合には、学校に電話で確認しましょう。
いつ起こるかわからない自然災害のときどんな行動をすればいい?
災害はいつ起こるかわからないため、普段から災害にあってしまったときにどのような行動をとればいいのか、家族できちんと話あって防災対策をしておくことで、災害が起きてしまったときに「自分の命を自分で守る」という行動がとれるかどうかが変わってきます。
登下校中に親子で同じ場所にいるということは、小学校1年生の最初の少しの期間を除けば多くないため、登下校中に災害が起きた場合には親と子どもが離れている状態になってしまいます。
そんなときのための防災対策をいくつか紹介しますので、ぜひこれからのお子さんの安全の確保をするための参考にしてみてくださいね。
- 自分の名前・住所・電話番号を子ども自身が言えるようにしておく
はぐれてしまったときに、生活圏内の周りにいる警察官、駅員、店員など助けを求められる大人の人や場所などを、普段から子どもと一緒にチェックしておきましょう。
- ランドセルのカブセの内側に緊急連絡先シートを貼っておく
通常であれば、名前・住所・電話番号・血液型・誕生日などを記載するのですが、その他に家族の名前・勤務先・電話番号・家族が離れてしまったときの集合場所などを記載しておくと、周りの大人が助けやすくなります。
家族の安否確認や災害情報が得られるように、災害時伝言ダイヤルの電話番号や災害用伝言板のURLなどを書いておくと安心できるのではないでしょうか。
災害用伝言ダイヤル「イナイ(171)」
災害の発生後30分後を目標に設置され、被災地への電話が混みあって電話が通じなくてもつながりやすく、被災地から電話を使って30秒以内のメッセージを録音・再生することができます。
■伝言の録音の仕方
@「171」に電話をかける
Aガイダンスにしたがい、録音「1」を入力
B自分の電話番号や携帯番号を市外局番から入力(どちらを入力するか決めておく)
C「無事です、○○にいます」「○○避難所にいます」などメッセージを録音
ガイダンスにしたがって入力していけばメッセージを残すことができます。
■伝言の再生
@「171」に電話をかける
Aガイダンスにしたがい、再生「2」を入力
B連絡をとりたい方の決めておいた電話番号や携帯番号を入力
C録音された「無事です、自宅にいます」のメッセージが流れる
こちらもガイダンスにしたがって入力していけばメッセージを聞くことができます。
また、災害伝言ダイヤル「171」には災害伝言板「web171」もあり、各携帯電話会社でも災害用伝言サービスが設置され、自分の安否情報をネット上の伝言板に登録して、相手の携帯番号をもとにして全国から伝言を確認できます。
スマホの場合、災害対策のアプリをダウンロードしておいて、毎月1日と15日に体験利用することができるため、事前に試しておくといざというときにスムーズに安否確認ができます。
地震が起きてしまった場合、地盤が傾いたり割れたりすることで後ろに転倒してしまって頭を打ってケガをしてしまうことがあるかもしれません。
しかし、クッションがしっかりしているランドセルを背負っていることでその衝撃を吸収してくれます。
登下校中の地震の場合、落下物から身を守るための道具にすることができます。
@ランドセルを背負ったままで、カブセを前に持ってきて頭にかぶせる
Aうずくまる場合には体操座りで膝と膝の間に頭を入れ、カブセの部分に体が収まるように小さくなる
普段は防犯対策として持っている防犯ブザーですが、地震が起きてしまったときに建物の下敷きになってしまったり、声がうまく出ないときには防犯ブザーを鳴らすことで助けを呼ぶことができます。
電池式の防犯ブザーはいざというときのために、こまめに電池の交換をすることを忘れないようにしましょう。
近年に増えている大雨による水害や土砂災害から子どもを守るには
メディアなどでは大雨が降るたびに「50年に1度の…、100年1度の…」などと言われている大雨ですが、近年では台風だけではなく突然のゲリラ豪雨など、頻繁に大雨が降ることが増えているため、表現の仕方がだんだんと変化してきています。
これだけ頻繁に大雨が降ると、それにともなって水害や土砂災害、河川の氾濫、冠水などの心配も増えてきます。どの地域にもその土地によって危険があるため、誰であっても被災してしまう可能性があるため、自然災害に対しての備えと対策を知っておくことで、命を守るための行動をすることができます。
@ハザードマップの確認
自分が住んでいる市町村が作成しているハザードマップで、浸水が起こりやすい地域や、土砂災害が発生する危険がある地域など、被害が発生しやすい箇所の確認しておくことで、お子さんの通学路やよく通る道が危険がどうかを確認しておくことができます。
A気象情報や災害情報に注意する
気象庁が発表している「防災気象情報」では、大雨や台風などの防災気象情報を随時確認することができるので、雨が降り出したら特に注意をして確認しましょう。土砂災害が発生する危険がある地域では、気象庁や都道府県による「土砂災害警戒情報」にも注意しておきましょう。
最近では、気象情報をお知らせしてくれるアプリなどもあり毎日のお天気なども確認できるので、お子さんに雨が降ってくるので注意が必要だということを伝えることもできるのでうまく活用してみましょう。
B早めに安全な場所に避難する
各地域で各種警戒情報が発表されたときには、迷わず安全な場所に避難することが大切です。短時間に大量の雨が降った場合、あっという間に水が上がってきたり、土砂災害が突然に起こることもあります。
危険地域に該当する場合は避難勧告や警報が出ていなくても、早めに安全な場所に避難することが大事です。
お子さんの下校時間に警報が出た場合、学校で待機するか保護者の迎えを待つことになりますが、保護者の方の身の安全も注意して行動することが大切です。
子ども1人でも慌てないための災害対策を!
台風などの水害の場合には、学校にいるときには親が迎えに来るまで待機なのですが、地震の場合はいつ起こるかわからないため、起こってしまったときにどのような行動をとるかということが必要です。
登下校中に地震などの災害が起きてしまった場合には、落ちやすいものや倒れやすいもの、移動しやすいものなどから素早く離れてしゃがんで頭を守ることが大切です。
そのため普段から、登下校中の危険なもの、身を守るためにできること、安全な場所、ランドセルがない場合は頭を守るためのものは何があるかなどの確認を子どもと一緒にしておきましょう。
また、家と学校の距離がどちらに近いかによって区切りをつけて、避難をする場所を教えておくといざというときに、子ども1人でも判断して安心して動くことができます。
ランドセル選びも背負いやすさはもちろんのこと、背中のクッションがしっかりとしたものを選ぶと安心です。